植毛とは?
植毛は薄毛が気になる部分に、髪の毛や髪の毛の代替品を直接植えつける施術のことで、自分の後頭部の毛を頭皮組織(ドナー)ごと切り取って移植する「自毛植毛」と、自分のものでない人工毛を植える「人工毛植毛」の二つのタイプに分かれます。いずれの場合も、外科的な手術によって髪の毛が薄くなった部分をカバーし、髪の毛が増えたように見せることが出来ます。
植毛の種類
先ほども少し説明したように、植毛には「自毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類があります。名前のとおり、「人工毛植毛」は合成繊維からできた人工毛を脱毛部に移植する方法で、拒絶反応や炎症を起こすリスクがあり、また、あくまでも人工の毛であるためメンテナンスが必要で、長期的にはコストパフォーマンスも悪いため、現在行われている植毛のほとんどが、自毛植毛となっています。そういうことで、本サイトにおいても自毛植毛のみを対象に詳しく解説していきます。
自毛植毛とは
自毛植毛とは、「AGA」と呼ばれる男性型脱毛症に対する有効な薄毛治療で、AGAの影響を受けない後頭部の毛組織を脱毛部に移植する施術のことです。移植した毛組織が生着すれば、脱毛の起きていない部分の髪の毛と同じように成長し、髪が自然に生えてきます。
自毛植毛の歴史
自毛植毛の歴史はかなり古く、1800年代に既に脱毛の治療に皮膚移植の理論が提案されさていたと言われていますが、1939年に日本人の奥田 庄二医師が「パンチグラフト」の手法を使ってやけどで失われた毛を再生させる研究結果を報告したところから始まり、1959年に、アメリカ人のノーマン・オレントライヒ博士が「パンチ式植毛法」を用いて植毛施術を実際に行ったことがきっかけとして、アメリカでの植毛技術開発が進んでいきます。


「パンチ式植毛法」は頭皮を毛根ごとくり抜いて薄毛部分へ移植すると言うもので、取れるグラフト(自毛植毛するために頭皮から採取された毛包のことです。株とも言います)も大きく、1つあたり20~40本もの毛髪が植えられていたと言われていて、生え際が不自然になるという問題点がありました。その後、いかに自然な美しさを再現できるかを課題に様々な手法が考案されてきたが、1995年にマイクログラフト法を使用したFUT法(Follicular Unit Transplantation)が開発されてから、それまで1グラフトに数10単位の毛包が含まれたものを、毛包ユニット単位(FU /follicular unit)で採取できるようになり、生え際をより自然に見せることを可能にしたのです。これにより、自毛植毛は自然な仕上がりが実現できるようになり、FUT法は自毛植毛の主流の手法として、世界中に普及されて行きました。しかし、FUT法はメスで頭皮を切り取って、線状の傷跡が残るというデメリットがあって、2001年にはメスを使わずに、髪の毛を一本一本、毛根ごとくり抜いて採取する、傷跡も目立たないFUE法(Follicular Unit Extraction)が開発され、最近最も主流の手法として確立されました。FUT法とFUE法が薄毛治療の永久的な解決法として広く使われるようになってから、技術の急速な進歩に伴い、これらの手法も継続的に進化し、サファイアFUE法、DHI法、ロボティックFUEなどの新しい技術が次々生まれて行き、より良い結果が得られるようになっています。また、再生医療や幹細胞を使った技術の研究も進んでおり、将来的には自毛植毛に新たな革命がもたらされると期待されます。

自毛植毛のメリット・デメリット
メリット
自身の髪の毛を移植するため、移植による拒絶反応が起こりにくい。
AGAの原因物質である「DHT(ジヒドロテストステロン)」は、男性ホルモンの一種「テストステロン」が還元酵素「5αリダクターゼ」の作用を受けることにより生成されます。5αリダクターゼは前頭部や頭頂部へ大きく影響する一方、後頭部や側頭部へは影響が少ないとされていて、後頭部の毛組織を脱毛部へ移植する自毛植毛は、AGA改善に効果的だと考えられます。
毛組織をそのまま移植するので、外傷などで毛根がすでに消失してしまった瘢痕性(はんこんせい)脱毛症にも対応が可能です。
自分の髪の毛を移植するため、生着すれば他の髪の毛と同じように成長し、自身の髪の毛本来の質感を維持できるため、自然な仕上がりが期待できます。
デメリット
後頭部から移植した髪の毛は5αリダクターゼの影響を受けませんが、植毛部以外の髪の毛は5αリダクターゼの影響を受け続けるので、植毛部以外のAGAの進行は止められません。そのまま治療をせずに放っておくと薄毛が進行して、再び植毛を行うなどの対処が必要になってしまいます。
自毛植毛は自身の髪の毛を移植するため、ドナーには限りがあって、薄毛が広範囲に進行している場合、全領域に対して植毛を施すことはできません。
自毛植毛は、移植後の細胞が生命活動を持続できるかどうかは毛根を組織に損傷与えることなく完全に採取できたかどうか、採取してから短い時間で移植できているかどうか、毛組織を分ける際、グラフト分けが一つひとつ丁寧に行えているかどうかなどの条件にかかわる繊細な手技で、
これらの条件が整っていないと移植された毛根が生着しできず、抜け落ちてしまいます。
自毛植毛は、局所麻酔中毒に伴う不整脈や術後の血腫、創感染、痺れ、顔やまぶたのむくみなど様々な合併症を引き起こす可能性があります。
自毛植毛は美容整形などと同じ自由診療にあたり、保険が適用されません。そのため施術にかかる費用は全額自己負担です。病院や施術法によって大きく差がありますが、日本での植毛費用は1株あたり1,000円〜2,000円程度で、ある程度薄毛が進行している場合は3000-4000本の移植が必要になるので、高額な費用が掛かってしまいます。
自毛植毛施術法の種類
「自毛植毛の歴史」 で説明したように、自毛植毛技術は、奥田 庄二医師が1939年に世界で初めて考案した「パンチグラフト」手法を元として、アメリカ人のノーマン・オレントライヒ博士が1959年に、「パンチ式植毛法」の植毛施術を行った時から、急速に発展し、今はFUT法、FUE 法、サファイアFUE法、DHI 法など四つの手法が世界で最も主流の自毛植毛の技術として確立されています。これからこれらの手法を中心に詳しく説明していきます。
FUT(Follicular Unit Transplantation)法
FUT法は1995年頃にアメリカのBobby L. Limmer氏が発表したもので、顕微鏡を使い解剖学的単位 (Follicular Unit=毛包単位)を一つ一つ採取する方法からこの名前が付けられました。頭皮を剥がす手術方法であることから、ストリップ法とも呼ばれています。
FUT法は2000年代初頭までは、最もよく選ばれ、実施されていた手法でしが、明確な痕跡が残るため後頭部の髪を短く刈ることができなくなり、ヘアスタイルの選択肢が制限されること、また回復期間が長いことから、現在ではFUE 法、DHI法など進化版の新しい手法が最も選ばれるようになっています。

FUT法の手順
FUT法では、まずドナー部位と移植部位の毛髪を剃って、施術の準備を行います。
その後、局所麻酔を施して手術部位を麻酔します。
次に、脱毛に強い後頭部の頭皮を横長の帯状に10~20cm程度切り取ります。切除する組織の大きさは、薄毛部分の面積に応じて決定されます。頭皮組織の採取が終わってから、組織を採取した部分は縫合されます。
得られた頭皮組織は先に、グラフト採取のための処理が行われ、その後一つずつグラフトを採取していきます。採取されたグラフトは、単一、二重、または三重の毛根を含むものに分類され、特殊な溶液の入った容器に保管されます。この方法で、1回の手術で2000から3000個のグラフトを採取することができます。
次に移植部位の準備が始まります。事前にマーキングした生え際に沿って、パンチ器具を使用してミリ単位の小さな穴を開けていきます。この作業は移植予定の全領域にわたって続けられます。自然な仕上がりを得るためには、この段階で生え際を適切に設定することが非常に重要です。
次の段階では、単一のグラフトを使用して生え際に沿って移植を開始します。他の二重、または三重の毛根を含むものは生え際以外の領域に開けられた小さな穴から一つずつ適当に移植していきます。
FUT法のメリット
一度に大量のドナーを採取するため、全体の手術時間が短縮されます。
ドナーが大きく、毛根組織への損傷が少ないため、生着率が高いです。
採取されたドナーは様々な種類の毛髪があるため、状態のいい毛髪を選ぶ事で、比較的効果の高い自毛植毛の施術が可能です。
医師の負担も比較的少ないため、料金が安くできる傾向があります。
FUT法のデメリット
メスを使用するため、採取後に縫合する必要があります。そのため、ドナー組織を採取した部分に長い傷跡が残ってしまいます。
麻酔が効いているとは言え、切り取られるドナー組織が大きいため、術後の痛みは比較的強いです。
FUE(Follicular Unit Extraction)法
FUE法は1960年代以降によく用いられていたパンチ・グラフト植毛法を改良して、2001年に発表された、近年最も使われている手法です。FUE法では、FUT法と異なり、グラフトはマイクロモーターや手動のパンチを使って、一つずつ採取されるので、ドナー部位から組織を切り取ることは必要ありません。FUE法は、さまざまな技術が併用されることが可能で、サファイアFUE、DHIなど実際にはFUE法の一種です。

FUE法の手順
FUT法もFUT法と同じようにでは、まずドナー部位と移植部位の毛髪を剃って、施術の準備を行います。
その後、局所麻酔を施して手術部位を麻酔します。
次に、口径1mm前後のチューブ型のパンチを利用して、ドナー部位からグラフトを一つずつ採取していきます。
採取したグラフトを検査し、毛根数に応じて分類し、特殊な液体の入った別々の容器で保管します。
次に、事前にマーキングした生え際に沿って、パンチ器具を使用してミリ単位の小さな穴を開けていきます。この作業は移植予定の全領域にわたって続けられます。
最後に、準備したグラフトを作られた穴から一つずつ移植していきます。移植する際、まず単一の毛根を含むグラフトを生え際に沿って入れて、その後、2本、3本の毛根を含むグラフトを残りの部分に適当に移植していきます。
FUE法のメリット
FUEの最大の利点の一つは、従来のFUT法とは異なり、直線的な跡を残さないことです。グラフトを一つずつ採取するため、跡がほとんど残りません。
FUTと違いメスを使わないため、痛みが軽減されます。
FUE法は低侵襲な処置で、他の植毛方法と比べてより早い回復期間を提供し、数日で日常活動に戻ることができます。
採取するドナーの大きさや、移植先の毛穴が均一で仕上がりが良く、自然な外観が得られます。
FUE法のデメリット
FUE法はグラフトを一つずつ採取するため、FUT法と比べて手術時間は長くなります
FUE法は、一般的に一度に広範囲の施術が難しく、範囲によっては複数回施術を受けることになってしまう可能性があります。
FUE法は、専用の器具を使い、グラフを1つずつ採取していくため、費用が高額になりやすい傾向があります。
サファイアFUE法(Sapphire FUE法)
サファイアFUE法はFUE法をベースに、穴を開ける作業はパンチの代わりにサファイアと呼ばれる宝石から作られた特殊な器具を用いて行われる、先進的な手法のことです。
サファイアFUE法はグラフトの採取段階はFUE法技術と全く同じですが、唯一の違いは、移植用の穴を開ける段階で、頭皮に繊細な切開を行うために特別に設計されたサファイア先端のメスを使用することです。

サファイアFUE法の手順
まずドナー部位と移植部位の毛髪を剃って、施術の準備を行います。
その後、局所麻酔を施して手術部位を麻酔します。
口径1mm前後のチューブ型のパンチを利用して、ドナー部位からグラフトを一つずつ採取していきます。採取したグラフトを検査し、毛根数に応じて分類し、特殊な液体の入った別々の容器で保管します。
次に、事前にマーキングした生え際に沿って、サファイア製の先端のメスで、ミリ単位の小さな穴を開けていきます。この作業は移植予定の全領域にわたって続けられます。
最後に、準備したグラフトを作られた穴から一つずつ丁寧に植え込んでいきます。
サファイアFUE法のメリット
サファイアFUE法は、より清潔で小さな切開により、傷跡がほとんど残りません。
サファイアFUE法で使用されるサファイアメスは0.6~0.8mmの厚さのマイクロチップを持ち、より小さな切開でより密度の高いスリットを作ることができて、より高い密度のグラフトの移植が可能になります。
より細い切開により、頭皮へのダメージが最小限に抑えられ、術中及び術後の出血量が大幅に減少し、回復期間が短くなります。
サファイアメスの特徴により、従来のFUE法と比較して、患者が手術中に感じる振動が軽減され、振動が減るということは、移植組織の損傷や頭皮への外傷といった合併症のリスクが減るということで、グラフトの生着率が上がります。
サファイアFUE法では、従来の金属製メスのU字型チャンネルとは対照的に、サファイア製チップではグラフトが定着しやすいV字型のチャネルが作成され、グラフトの植え込み角度の微調整もしやすく、極めて自然な仕上がりが実現できます。

サファイアFUE法のデメリット
通常のFUE法と比べて、サファイアFUE法は特殊な器具を使用するため、治療費が割高になります。
より繊細な作業が必要となるため、従来のFUE法と比べて手術時間が長くなる傾向があります。
サファイアメスを使用する手術には、より高度な技術と経験が必要なため、この手法を提供できる医療機関が限られる可能性があります。
施術者の技術レベルによって、結果に大きな差が出る可能性があって、経験の浅い医師による施術では、期待した結果が得られないリスクがあります。
以上のデメリットはありますが、適切な医療機関と経験豊富な医師を選択することで、多くのリスクを軽減することができます。
ファイアFUE法が最も適している人
ファイアFUE法は植毛の一般適応者以外に特に以下の人にすすめられます。
前頭部の生え際とこめかみ部分の植毛を希望する人。
ヘアスタイルを変えたい、より密度の高い植毛を希望する人。
傷跡に敏感な人。
できる限り仕事や社会活動への早期復帰を希望する人。
予算に余裕があって、自然な仕上がりを重視する人。
従来のFUE法とサファイアFUE法の違い
サファイアFUE法は、従来のFUE法の革新的なバージョンであり、サファイア製の刃先により、チャネル作成中に組織へのダメージは従来のFUEより最小限に小さい。
サファイアFUE法では組織ダメージが小さいため、従来のFUE法より回復が早くて、術後にできるとかさぶたも少ない。
サファイアFUE法では開設されるチャネルがより細かく、より密接で、FUE法よりより密度の高い移植が可能で、仕上がりがより自然。
サファイアFUE法では特殊な器具を使うため、一般的により高額で、従来のFUE法のほうが比較的経済的。
DHI(Direct Hair Implantation)法
剃髪不要の毛移植法としても知られるDHI(Direct Hair Implantation)法は、植毛法の中で最近使用が広がっている最新の植毛技術です。韓国の大学教授、Choi氏が1992年に初めて実施した手法で、開発者の名前から「CHOI法」と呼ばれることもあります。また、植毛針(ニードル)で穴を開けて植える為、ニードル法と呼ばれることも多いです。
実際、DHI法のグラフト採取プロセスはFUE技術と同じですが、チャネル開設とグラフト植え込みプロセスが異なります。FUE法と同じプロセスで一つずつ採取されたグラフトは、CHOIインプランターと呼ばれる特殊なペンを使用して、同時にチャネル開設と植え込みが行われます。つまり、CHOIペンを移植部位に挿入すると、グラフトが植え込まれるチャネルも同時に開かれ、ペンの上部にあるボタンによってチャネルに押し込まれます。このように、チャネル開設とグラフトの植え込みが同時に行われる手法です。
CHOIインプランターを使用するこの毛髪移植法ではこの処置は頭皮に切開や小さな穴を開ける必要がないため、また治癒過程も促進されます。

DHI法の手順
まず、頭皮を清潔にし、局所麻酔を施して痛みなく処置を行えるようにします。
その後、口径1mm前後のチューブ型のパンチを利用して、ドナー部位からグラフトを一つずつ採取していきます。
次に、採取された健康的なグラフトを1本ずつ整え、移植されるまでの間元気なままダメージを受けないように、特殊な液体が入っている容器の中に入れて保管します。
最後に、採種したグラフトをそれぞれの毛根のサイズに合ったChoiPenに入れて、通常の髪の毛が生えてくる45度の角度で頭皮に刺し、ペンの上部にあるボタンを押して、毛根も同時にチャネルに押し込んでいきます。
DHI法のメリット
特殊なインプランターペンを使用することで、毛髪の角度や方向を正確にコントロールできて、より自然な生え際や毛髪の流れを作り出すことが可能
チャネル開設と移植が同時に行えて、頭皮を切開し、穴を開ける必要ないため、傷が最小限で、回復が比較的早い。
毛根が外気に触れる時間が短く、グラフトのダメージも少ないため、生着率が高い。
密度を高めることを目的とした毛髪移植で注目されている手法で、より密接した間隔で密度の高い毛髪移植ができる。
チャネル作成と移植が同時に行われるため、出血が最小限で、術後の腫れも比較的軽度。
剃髪が不要なため、処置を受けたことを人に知られたくない人や女性にとって最善の選択肢。
必ずしも髪を短くする必要がないため、既存の毛根を傷つけることなく、異なる先端を持つペンにより移植を行い、髪の密度を上げることが可能。

DHI法のデメリット
従来の手法では複数本毛根が生えているグラフトを一つとして植え込んでいくのに対し、DHI法では、毛髪を1本1本植え付けていくため時間がかかる。
特殊な器具(DHIペン)や高度な技術を持つ医師が必要なため、施術費用が高額。
1本1本植えの植え込みで,時間がかかるため、広い範囲の移植が必要な場合、複数回の手術が必要になる可能性がある。
施術者の腕次第で結果に大きな差が出る。
熟練した医師が少なく、専門的な設備と技術も必要なため、実施できる医療機関が少ない。
植毛で失敗しないためには?
健康と美容の処置において、すべての処置は個人によって異なります。そのため、植毛法の選択は、まず、特殊な機器で脱毛に影響を与える要因と髪の状態を検査し、禿げ面積の大きさ、毛髪の構造、髪の長さ、頭皮の特徴、ドナー部位の状態などを評価し他上で、個人の期待が優先に決められます。
植毛で失敗しないためには、クリニック選びが鍵となります。クリニックの実績、技術力はもちろん、カウンセリングなど手術までのプロセスが丁寧であるかも大切なポイントです。また、施術方法によって、仕上がりや生着率、痛みの強さ、費用などが違ってくるので、そのクリニックがどの施術方法を採用しているか必ず確認するべきです。費用のみを基準にクリニックを選ぶのではなく、様々な情報をきちんと考慮した上で選びましょう。
どの施術法を選ぶかは薄毛の度合い、ドナー部分の状態や値段の要素で決まりますが、一般的には禿げ面積が大きい場合は、FUE法が選択されます。より短い治癒時間を望み、術後の発赤やかさぶたを最小限に抑えたい場合は、サファイアFUE法のほうが正しい選択になります。
髪が長く、禿げ面積が小さい、もしくは無剃毛の処置を希望する場合は、DHI法で行うことになります。
最近では、ロボットによる植毛技術も確立されて行って、FUE法を選択する場合には、ロボットによる施術なのか、術者による施術なのかも併せて確認するようにしましょう。
植毛術後の注意事項
毛髪移植を受けた患者は、処置後に毛根が健康的に発育するよう、毛髪のケアに注意を払う必要があります。植毛後の注意事項は以下の通りです:
汗は新しく移植された毛根に損傷を与える可能性があるため、最初の数日は発汗を引き起こす激しい身体活動を避ける必要があります。
最初の数日は、タバコ、アルコール、コーヒーの摂取を避けたほうがいいです。
毛髪移植部位が枕に触れないよう注意する必要があります。
最初の2週間は熱いお湯と日光を避けて、海やプールにも入らないようにすすめられます。
痂皮は自然に剥がれるのを待ち、必要に応じて頭皮を優しくマッサージしても良いが、掻いたり、剝がしたりしてはいけません。
腫れを最小限に抑えるため、仰向けで寝るよう心がけたほうが良いです。
植毛後の髪のショックロスは正常であることを理解し、パニックにならないようにすることも一つの大事なポイントです。
移植部位を必ず雨から保護するようにしましょう。
衣服は着脱が容易で、快適なもの選びましょう。
2週間以上続き、改善が見られない腫れ、発赤、かゆみ、軽度の出血などの副作用は感染の兆候である可能性があります。このような状況に遭遇した場合は医師に相談しましょう。