植毛とは何ですか?
植毛は薄毛が気になる部分に、髪の毛や髪の毛の代替品を直接植えつける施術のことで、自分の後頭部の毛を頭皮組織(ドナー)ごと切り取って移植する「自毛植毛」と、自分のものでない人工毛を植える「人工毛植毛」の二つのタイプに分かれます。いずれも、外科的な手術によって髪の毛が薄くなった部分をカバーし、髪の毛が増えたように見せる手法で、これから本サイトに出てくる「植毛」の言葉は「自毛植毛」ことを指します。
植毛はどんな人に適していますか?
薄毛が進行いるが、ドナー部分に十分な毛髪が残っていて、他の薄毛治療で効果が見られなかった人に適しています。また、健康状態が良好で、手術に耐えられることが求められます。
植毛に最も適したのはどの年齢層ですか?
一般的には、20歳以上の成人が植毛手術の適応となることが多いです。但し、20代では脱毛が進行中であることが多く、早すぎる手術は将来的に追加の手術が必要になる可能性があるので、脱毛の進行が比較的安定している30代以上が最も適しているとされています。
植毛手術に最適な季節って、ありますか?
季節のイメージでいえば、夏は湿気などで蒸れるし、冬は乾燥しがちなので植毛に良くないのではないかと思ってしまう人が大勢いるとかもしれませんが、実際には髪の毛の定着率にこれらの要因は関係ないので、やろうと決めたら季節は関係なくなるべく早く受けた方が良いのです。ただ、季節によって注意点はあって、特に、夏の日差しの強い日には帽子を被るなど、紫外線に対する防護策を十分に考える必要があります。
手術は痛いですか?
手術は局所麻酔下で行われるため、手術は痛みを感じることはほとんどありません。術後に軽い痛みや違和感を感じることがありますが、通常は数日以内に収まります。
植毛手術は一度だけで済みますか?
一般的に、一度だけの手術で済むことが多いが、髪の薄さや生え方により、追加の手術が必要になることもあります。特に、広範囲にわたる薄毛の場合、複数回の手術が推奨されることがあります。
植毛手術はリスクや副作用がありますか?
植毛は薄毛に悩む方にとって魅力的治療法ではありますが、リスクがまったく無いわけではなく、出血、感染症、かゆみ、腫れ、傷跡などの副作用が出ることがあります。副作用を予防するあるいは最小限にするためには、信頼できるクリニックで、腕のいい医者の元で受けることと術後に適切なケアを行うことが何よりも大切です。
女性の植毛手術は男性とどう異なりますか?
一般的に、男性と女性で行われる植毛手術のプロセスは同じですが、女性の場合、髪を剃ることが問題になるため、DHI技術を使った無剃髪の植毛手術が選択されます。この技術は、女性だけではなくて、髪を剃らずに手術を希望する男性患者にとっても便利です。
手術にどれくらいの時間がかかりますか?
植毛手術の所要時間は、手術の種類、移植するグラフトの数や施術者の経験によって異なりますが、一般的に6〜8時間程度かかります。FUE技術による植毛手術では、平均6〜8時間、一方、DHI技術で行う場合、平均4〜6時間かかりますが、手術の規模によって10時間かかることもあります。
手術前に頭皮ケアで注意すべきことはありますか?
活動的なニキビがある場合は抗生物質を使用し、過剰なフケがある場合は治療が必要です。また、ほかに頭皮疾患がある場合も、手術前に検査を行い、必要に応じて治療してから手術するべきです。もし、ウィッグを使用している場合、手術の1〜2週間前から使用を制限し、接着剤で皮膚に貼り付けている場合はその接着剤を洗い流す必要があります。手術前にジェルなどの化粧品を使用しないようにし、ミノキシジルなどの脱毛予防スプレーを使用している場合は、手術の1週間前から使用を中止するべきです。
ドナー部分はどこから選ばれますか?
FUEおよびDHI技術による植毛手術では、ドナー部分として選ばれるのは、後頭部、耳の高さあたりの部分です。後頭部からは最大で6,000〜6,500本のグラフトを採取することができます。採取後、ドナー部分にわずかな薄毛が見られることがありますが、見た目に影響がほとんど出ないように施術されるので、特に心配は要りません。
入院が必要ですか?
手術の後は入院が必要なく、同日に退院できます。
ドナー部分の髪は再び生えてきますか?
一般的に、ドナー部分から採取された髪が再び生えてくると思われがちですが、実際にはそのようなことはありません。ドナー部分から採取された髪は再び生えてきませんが、見た目の影響はほとんど出ないように施術されるので、特に気にしなくても大丈夫です。
移植した髪は抜け落ちますか?
生着した植毛も通常の髪と同様に、寿命が来ると自然に抜け落ちます。しかし、後頭部などのDHTホルモンの影響を受けない、薄毛になりにくい部位から移植されているため、移植された髪の毛根は健在であり、また新しい髪が同じ場所から生えてくるので、移植した髪が抜け落ちる心配はありません。
ショックロース(Shock Loss)とは何ですか?
ショックロースとは、植毛後に頭皮へのトラウマや血液循環の変化によって引き起こされる一時的な脱毛現象のことです。ショックロースは手術後約2〜4週間で既存の髪や移植した毛髪が一時的に抜け落ちることを特徴としますが、これは植毛の正常な回復過程の一部で、心配は要りません。
ほとんどの場合、一時的なもので3〜4ヶ月後に新しい髪が成長し始め、適切なアフターケアを続けることで、移植した毛髪は最終的に成長し、個人差はありますが、約一年後に自然な見た目の髪の毛が得られます。
どうしても心配な場合は、担当医に相談することをお勧めします。
かさぶたはいつ取れますか?
植毛手術から2日~3日くらいにかさぶたができはじめ、個人差はありますが、1週間くらいから少しずつ取れ始め、2週間もすればほとんどのかさぶたは自然に外れ落ちます。
植毛手術で移植されるグラフト数はどれくらいですか?
手術を行う前に、患者の頭部の薄毛の範囲や髪の生え際などが確認され、植毛に適切なグラフト数が決定されます。通常の手術では、3,500から4,000本のグラフトが移植されることが一般的ですが、薄毛が広範囲に及ぶ場合、5,000本以上必要になることもあります。
マイクログラフトとは何ですか?
自毛植毛の手術の際に採取したグラフトは、生えている毛の本数によって呼び方が変わります。その中でも、生えている毛の本数が1~2本のグラフトをマイクログラフトと呼びます。生えている毛が2~3本のグラフトをフォリキュラーグラフト、3~5本のグラフトをダブルフォリキュラーグラフトと呼びます。自毛植毛の手術では、グラフトの種類によって移植する場所が異なってきます。例えば、マイクログラフトは自然さを重要視する生え際に移植され、ダブルフォリキュラーグラフトは密度が必要となってくる頭頂部に移植されます。
そもそもグラフトとは、移植する毛髪の最小単位のことで、自毛植毛の手術では、1つの毛穴から生えているすべての毛を1グラフトとして移植先に植え付けていきます。上記したように、グラフトとは1本の毛を指すわけではないので、グラフト数と、実際に植え付ける毛髪の数には差があります。
植毛後、髪はいつ自然な見た目に到達しますか?
術後、髪は通常通り成長しますが、最初の数ヶ月ではショック脱毛や傷の回復の影響により髪の密度は自然な状態になりません。髪が初めて生え始めるのは約3ヶ月後で、完全に結果が出るまでには通常6ヶ月から1年程度かかります。一年後には髪が自然なボリュームと密度を取り戻し、この時点でもう髪を伸ばしてスタイリングし、通常のケアを行うことができます。
PRP療法とは何ですか?
PRP療法はPlatelet-Rich Plasma(血小板豊富血漿)の略で、患者の自身の血液から抽出した血小板豊富な成分を利用して、毛髪の成長を促進する治療法です。PRP療法は移植した毛根の成長率を向上させるために、植毛術後にもよく実施されます。手順としては、まず、患者さんの腕から採血し、特殊な遠心分離機で処理を行うことにより、成長因子が豊富な特殊な血清が得られます。最後に、植毛の後に、得られた血清が植毛された部位に注入されます。これにより、植毛はより良い結果を得ることができます。
植毛の結果は保証されていますか?
一般的に、植毛手術は90〜95%という高い成功率を誇りますが、回復過程での組織の不一致、感染症や術後のケアなどの要因により、植えられた髪の定着に失敗する可能性もあります。そのため、植毛手術の経験が豊かな医師が在籍し、設備の優れたクリニックを選ぶことが何よりも大切です。
手術後、いつ帰国できますか?
最初の洗髪後に帰国できます。最初の洗髪は手術後少なくとも24時間後に行われますが、お勧めは36時間後に行うことです。
手術後、飛行機に乗るのは安全ですか?
海外や他の都市で植毛を受けた後に飛行機で移動する場合、手術後の頭部を保護することは大切です。それ以外に、植毛後に飛行機やバスなどの交通機関を利用することに問題はありません。ただし、医師からのアドバイスに従って、頭部を保護するための措置を取ることが重要です。
手術後の洗髪はどうしますか?
術後の最初の10回の洗髪は植毛の成功の観点から非常に重要です。 植毛の翌日に担当医が初洗髪を行いながら、そのやり方も教えます。その後の洗髪は患者さんが自分自身で簡単に行えます。
術後、いつ仕事に復帰できますか?
ほとんどの患者さんは2日後に仕事に復帰できますが、日光やホコリにさらされるような職場の場合は、念のため1週間ほど仕事を休むことをお勧めします。とはいえ、頭皮の赤みやかさぶたは2週間ほど続くことを考慮する必要があります。
手術前後にアルコールを止めるべきですか?
局所麻酔の効果を阻害することや手術中に出血が増加する要因となる可能性があって、手術の3日前からアルコールを控えることが勧められます。
術後に関しては、手術が無事終わったとしても、移植毛が生着するかどうかが決まるとても大事な時期なので、少量であれば髪の毛に影響することはないと思われるものの、術後一週間ほどはアルコールを摂取しないように心掛けたほうが良いです。
喫煙者はタバコをやめるべきですか?
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させ、血流の悪化をもたらす働きがあって、止めることで血液中の酸素の割合が増え、手術の成功率が上がるので、手術の3日前からタバコをやめることをお勧めします。
血流の悪化だけではなくて、タバコは脱毛の直接的な要因の一つでもあるので、植毛の生着のためや今後の髪のケアのためにも、術後にも禁煙が推奨されます。