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サファイアFUE法(Sapphire FUE法)
サファイアFUE法はFUE法をベースに、穴を開ける作業はパンチの代わりにサファイアと呼ばれる宝石から作られた特殊な器具を用いて行われる、先進的な手法のことです。
サファイアFUE法はグラフトの採取段階はFUE法技術と全く同じですが、唯一の違いは、移植用の穴を開ける段階で、頭皮に繊細な切開を行うために特別に設計されたサファイア先端のメスを使用することです。

サファイアFUE法の手順
まずドナー部位と移植部位の毛髪を剃って、施術の準備を行います。
その後、局所麻酔を施して手術部位を麻酔します。
口径1mm前後のチューブ型のパンチを利用して、ドナー部位からグラフトを一つずつ採取していきます。採取したグラフトを検査し、毛根数に応じて分類し、特殊な液体の入った別々の容器で保管します。
次に、事前にマーキングした生え際に沿って、サファイア製の先端のメスで、ミリ単位の小さな穴を開けていきます。この作業は移植予定の全領域にわたって続けられます。
最後に、準備したグラフトを作られた穴から一つずつ丁寧に植え込んでいきます。

サファイアFUE法のメリット
サファイアFUE法は、より清潔で小さな切開により、傷跡がほとんど残りません。
サファイアFUE法で使用されるサファイアメスは0.6~0.8mmの厚さのマイクロチップを持ち、より小さな切開でより密度の高いスリットを作ることができて、より高い密度のグラフトの移植が可能になります。
より細い切開により、頭皮へのダメージが最小限に抑えられ、術中及び術後の出血量が大幅に減少し、回復期間が短くなります。
サファイアメスの特徴により、従来のFUE法と比較して、患者が手術中に感じる振動が軽減され、振動が減るということは、移植組織の損傷や頭皮への外傷といった合併症のリスクが減るということで、グラフトの生着率が上がります。
サファイアFUE法では、従来の金属製メスのU字型チャンネルとは対照的に、サファイア製チップではグラフトが定着しやすいV字型のチャネルが作成され、グラフトの植え込み角度の微調整もしやすく、極めて自然な仕上がりが実現できます。

サファイアFUE法のデメリット
通常のFUE法と比べて、サファイアFUE法は特殊な器具を使用するため、治療費が割高になります。
より繊細な作業が必要となるため、従来のFUE法と比べて手術時間が長くなる傾向があります。
サファイアメスを使用する手術には、より高度な技術と経験が必要なため、この手法を提供できる医療機関が限られる可能性があります。
施術者の技術レベルによって、結果に大きな差が出る可能性があって、経験の浅い医師による施術では、期待した結果が得られないリスクがあります。

従来のFUE法とサファイアFUE法の違い
サファイアFUE法は、従来のFUE法の革新的なバージョンであり、サファイア製の刃先により、チャネル作成中に組織へのダメージは従来のFUEより最小限に小さい。
サファイアFUE法では組織ダメージが小さいため、従来のFUE法より回復が早くて、術後にできるかさぶたも少ない。
サファイアFUE法では開設されるチャネルがより細かく、より密接で、FUE法よりより密度の高い移植が可能で、仕上がりがより自然。
サファイアFUE法では特殊な器具を使うため、一般的により高額で、従来のFUE法のほうが比較的経済的。

ファイアFUE法が最も適している人
ファイアFUE法は植毛の一般適応者以外に特に以下の人にすすめられます。
前頭部の生え際とこめかみ部分の植毛を希望する人。
ヘアスタイルを変えたい、より密度の高い植毛を希望する人。
傷跡に敏感な人。
できる限り仕事や社会活動への早期復帰を希望する人。
予算に余裕があって、自然な仕上がりを重視する人。

DHI(Direct Hair Implantation)法
剃髪不要の毛移植法としても知られるDHI(Direct Hair Implantation)法は、植毛法の中で最近使用が広がっている最新の植毛技術です。韓国の大学教授、Choi氏が1992年に初めて実施した手法で、開発者の名前から「CHOI法」と呼ばれることもあります。また、植毛針(ニードル)で穴を開けて植える為、ニードル法と呼ばれることも多いです。
実際、DHI法のグラフト採取プロセスはFUE技術と同じですが、チャネル開設とグラフト植え込みプロセスが異なります。FUE法と同じプロセスで一つずつ採取されたグラフトは、CHOIインプランターと呼ばれる特殊なペンを使用して、同時にチャネル開設と植え込みが行われます。つまり、CHOIペンを移植部位に挿入すると、グラフトが植え込まれるチャネルも同時に開かれ、ペンの上部にあるボタンによってチャネルに押し込まれます。このように、チャネル開設とグラフトの植え込みが同時に行われる手法です。
CHOIインプランターを使用するこの移植法では頭皮に切開や小さな穴を開ける必要がないため、治癒過程が短短縮されます。

DHI法の手順
まず、頭皮を清潔にし、局所麻酔を施して痛みなく処置を行えるようにします。
その後、口径1mm前後のチューブ型のパンチを利用して、ドナー部位からグラフトを一つずつ採取していきます。
次に、採取された健康的なグラフトを1本ずつ整え、移植されるまでダメージを受けないように、特殊な液体が入っている容器の中に入れて保管します。
最後に、採種したグラフトをそれぞれの毛根のサイズに合ったChoiPenに入れて、通常の髪の毛が生えてくる45度の角度で頭皮に刺し、ペンの上部にあるボタンを押して、毛根も同時にチャネルに押し込んでいきます。

DHI法のメリット
特殊なインプランターペンを使用することで、毛髪の角度や方向を正確にコントロールできて、より自然な生え際や毛髪の流れを作り出すことが可能
チャネル開設と移植が同時に行えて、頭皮を切開し、穴を開ける必要ないため、傷が最小限で、回復が比較的早い。
毛根が外気に触れる時間が短く、グラフトのダメージも少ないため、生着率が高い。
密度を高めることを目的とした毛髪移植で注目されている手法で、より密接した間隔で密度の高い毛髪移植ができる。
チャネル作成と移植が同時に行われるため、出血が最小限で、術後の腫れも比較的軽度。
剃髪が不要なため、処置を受けたことを人に知られたくない人や女性にとって最善の選択肢。
必ずしも髪を短くする必要がないため、既存の毛根を傷つけることなく、異なる先端を持つペンにより移植を行い、髪の密度を上げることが可能。

DHI法のデメリット
従来の手法では複数本毛根が生えているグラフトを一つとして植え込んでいくのに対し、DHI法では、毛髪を1本1本植え付けていくため時間がかかる。
特殊な器具(DHIペン)や高度な技術を持つ医師が必要なため、施術費用が高額。
1本1本植えの植え込みで,時間がかかるため、広い範囲の移植が必要な場合、複数回の手術が必要になる可能性がある。
施術者の腕次第で結果に大きな差が出る。
熟練した医師が少なく、専門的な設備と技術も必要なため、実施できる医療機関が少ない。

植毛で失敗しないためには?
健康と美容において、個人によって行う処置も異なります。そのため、まず、脱毛の要因と髪の状態を検査し、禿げ面積の大きさ、毛髪の構造、髪の長さ、頭皮の特徴、ドナー部位の状態などを評価した上で、個人の期待が優先に植毛法が決められます。
植毛で失敗しないためには、クリニック選びが鍵となります。クリニックの実績、技術力はもちろん、カウンセリングなど手術までのプロセスが丁寧であるかも大切なポイントです。また、施術方法によって、仕上がりや生着率、痛みの強さ、費用などが違ってくるので、そのクリニックがどの施術方法を採用しているか必ず確認するべきです。費用のみを基準にクリニックを選ぶのではなく、様々な情報をきちんと考慮した上で選びましょう。
どの施術法を選ぶかは薄毛の度合い、ドナー部分の状態や値段の要素で決まりますが、一般的には禿げ面積が大きい場合は、FUE法が選択されます。より短い治癒時間を望み、術後の発赤やかさぶたを最小限に抑えたい場合は、サファイアFUE法のほうが正しい選択になります。
髪が長く、禿げ面積が小さい、もしくは無剃毛の処置を希望する場合は、DHI法で行うことになります。
最近では、ロボットによる植毛技術も確立されて行って、FUE法を選択する場合には、ロボットによる施術なのか、術者による施術なのかも併せて確認するようにしましょう。

植毛術後の注意事項
植毛の患者は、処置後に毛根が健康的に発育するよう、毛髪のケアに注意を払う必要があります。植毛後の注意事項は以下の通りです:
汗は新しく移植された毛根に損傷を与える可能性があるため、最初の数日は発汗を起こす激しい身体活動を避ける必要があります。
最初の数日は、タバコ、アルコール、コーヒーの摂取を避けたほうがいいです。
毛髪移植部位が枕に触れないよう注意する必要があります。
最初の2週間は熱いお湯と日光を避けて、海やプールにも入らないようにすすめられます。
痂皮は自然に剥がれるのを待ち、必要に応じて頭皮を優しくマッサージしても良いが、掻いたり、剝がしたりしてはいけません。
腫れを最小限に抑えるため、仰向けで寝るよう心がけたほうが良いです。
植毛後の髪のショックロスは正常であることを理解し、パニックにならないようにすることも一つの大事なポイントです。
移植部位を必ず雨から保護するようにしましょう。
衣服は着脱が容易で、快適なもの選びましょう。
2週間以上続き、改善が見られない腫れ、発赤、かゆみ、軽度の出血などの副作用は感染の兆候である可能性があります。このような状況に遭遇した場合は医師に相談しましょう。